配偶者の「浮気調査」や、家出してしまった子どもを探す際の「人探し調査」、「ストーカー調査」など、身近な問題で警察が対応してくれない時に、心強い味方になってくれるのが「探偵」です。
探偵以外にも、「浮気調査」の際の相談相手として「弁護士」がいます。探偵と弁護士、どちらも浮気トラブル解決のために大変心強い存在ではあるのですが、具体的にはどのような違いがあり、どちらに相談すべきなのか、など、迷われる方も多いのではないかと思います。
本記事では、「探偵」と「弁護士」の違いや、非弁行為について、「浮気調査」を相談するなら探偵と弁護士どちらに依頼すべきなのかを分かりやすく説明していきます。
非弁行為とは

弁護士法72条によって、「報酬を得る目的で弁護士にのみ認められている行為(法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすること)」は禁じられており、この法律に違反した行為のこと「非弁行為」といいます。
損害賠償金の支払がある保険会社の示談交渉は、事故の当事者性があるため「非弁行為」にはなりません。ですが、保険金の支払を伴わない、契約者側の過失が全くない事故の示談交渉をする行為は、「非弁行為」に該当することになるため、この場合、示談交渉は行えません。
「探偵」と「弁護士」の違い

1. 持っている資格の違い
まず、大きな違いとして、弁護士は司法試験に合格しなければ弁護士業を営むことができません。つまり、国家資格を持っているのが「弁護士」で、必ずしも資格を必要としないのが「探偵」です。
「探偵」も、開業するためには公安委員会に届け出をしなければいけませんがが、届け出のために必要になる資格は特にありません。
2. 得意分野の違い
職務上の権限があるため、弁護士は「戸籍」や「住民票」などある程度の情報を入手することができるため、調査内容によっては弁護士に依頼をする方が良いでしょう。
しかし、調査の目的が「証拠集め」となる場合には、尾行や張り込み、聞き込みなどが必要になります。弁護士にはこのような調査をする機会がほとんどないため、専門的な知識や機材がありません。
3. 法律による対応範囲の違い
探偵は、「証拠集め」に関してはとても頼れる存在ですが、証拠を入手した後の、慰謝料交渉や示談、訴訟などの手続きを行うことは、上で説明したように「非弁行為」に該当するため、対応できません。
一方、弁護士であれば、証拠を入手した後の、慰謝料交渉や示談、訴訟を伴うトラブルに対しても対応できるため、法的手続きもスムーズに進めてくれます。和解交渉の代理、被告の弁護、慰謝料請求など弁護士にだけ許されている業務は様々あります。
「浮気調査」は弁護士と探偵どちらがオススメ?

「浮気の証拠」が欲しい場合は探偵に依頼
「探偵」の浮気調査は、裁判で使用する「浮気の証拠」となる、写真や映像を「尾行」「張り込み」「聞き込み」などの方法で収集することです。弁護士は相談には乗ってくれるものの、「証拠集め」は対応してくれないため、「証拠」が欲しい場合には探偵に依頼するのが良いでしょう。
すでに、ご自分で入手している証拠がある場合には、その証拠に「法的効力があるかどうか」についても、一度探偵に相談してみても良いかもしれません。
「法的処置」をとる場合は弁護士に依頼
探偵では、「慰謝料請求」や「離婚調停」などの法律的な手続きは行えないため、裁判に使用することができる「浮気の証拠」をすでに持っている場合には、弁護士に依頼すると良いでしょう。
また、探偵では依頼者の代理人になることができないため、弁護士に代理人として間に入ってもらうことで、話をスムーズに進めることが可能になります。
探偵事務所の違法表記

下記にも記載してありますが、弁護士法74条により「提携している弁護士を紹介するのは違法(非弁提携の意味)」となっています。
- 〇〇弁護士事務所と提携
- 顧問弁護士が相談に乗ります
- 無料の弁護士紹介あり
信頼度を上げて集客数に結びつける狙いから、上記のように表現をしている探偵事務所を多数見かけますが、極めて「違法」となる可能性が高いです。
また、証拠がない場合には探偵に依頼をすることをオススメしましたが、裁判では不法に入手した証拠は証拠能力がないと判断されるため、「違法性がないか」「料金の妥当性」「相性が合うか」など、探偵に依頼をする際には注意が必要です。
関連する弁護士法の条文
第20条
弁護士は、いかなる名義をもってしても、2箇以上の法律事務所を設けることができない。
第27条
弁護士は、第72条・第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 (非弁護士との提携の禁止)
第72条
弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。 (非弁活動-非弁護士の法律事務の取扱等の禁止)
第74条
弁護士でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。弁護士でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。(提携の禁止-非弁護士の虚偽標示等の禁止)
<弁護士職務基本規定>
(非弁護士との提携)
第十一条 弁護士は、弁護士法第七十二条から第七十四条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、これらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない
関連する商法の条文
第512条
商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる
まとめ
今回は「非弁行為」についてと、探偵と弁護士のどちらに「浮気調査」を依頼するべきかについて、状況別に解説してきました。
弁護士との提携は一件信用できそうにも思えますが、本記事で紹介してきた法律により、そういった広告の記載などは基本的に違法とされています。
依頼をしてしまってからでは遅いので、探偵・弁護士を選ぶ際は慎重に選ぶようにしましょう!
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